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【アラベスク】  第4章 男ゴコロ



すごく大雑把な [ あらすじ ]




  夏休みに入った瑠駆真を東京へ呼び出しに来た、父親の秘書・メリエム。実は瑠駆真の父親・ミシュアルは、中東ラテフィル王国の王位継承者。普段はラテフィルの政治経済に尽力し、世界各地を飛び回る彼。なんとか夏休みに来日予定を入れ、瑠駆真に逢いたがっているのだ。
 だが瑠駆真は逢いたくない。そんなコトよりも、今は美鶴のことで頭がいっぱい。英語の成績が落ちてしまったのは、瑠駆真の英語の勉強に付き合わされたせいだ。そんな八つ当たりで終業式の日に別れて以来、瑠駆真は美鶴と連絡を取っていない。
 明らかに避けられている。このまま疎遠になってしまうのか? なす術も見つけられないまま、焦る瑠駆真の夏休み。
 一方聡も、美鶴とは連絡を取っていない。夏休みに入るまでほとんど毎日美鶴と過ごしてきただけに、ぽっかり気の抜けた毎日を過ごす聡。そんな聡の耳に義妹の緩の声。
 生徒会副会長の廿楽に媚を売って学校内での地位を確立している妹の緩。そのやり方が気に入らないだけか、聞けば彼女は、瑠駆真に想いを寄せる廿楽のために、美鶴の身辺をウロついているらしい。
 美鶴との仲を詰られて腹を立てる聡。そこへ割って入る母の育代。緩との関係を良好にしたいがばっかりに聡を責め、果ては数学の成績まで叱咤され思わず家を飛び出す聡。行くアテが見つからず、辿り着いた夜の学校で見かけた人影は美鶴の姿。実は美鶴、校内模試での自分の英語の順位が気になり、夜の学校へ来てしまったのだ。
 こっそり忍び込んだ学校で、模試の順位表と向かい合う美鶴。彼女の耳に聡の声。みっともない姿を見られた羞恥から憤慨する美鶴だが、そこに警備員の足音が響く。
 慌てて掃除道具入れに身を隠す聡と美鶴。狭い空間で美鶴を抱き寄せる聡の行動が、美鶴に思わぬ誤解を与える。慌てて謝ろうとする聡だが、弁解もさせようとはしない美鶴。
 「サイテーだな」の一言が、聡に自暴を起こさせる。悪いコトだとはわかっていながら、抵抗のできない美鶴の唇を奪ってしまう聡。
 美鶴に詰られ、ひたすら自分を責め、疲れきり結局家へ戻ってきた聡に声をかけたのは義父の泰啓。京都で行われる空手の試合に誘う彼の行動には、実は意外な裏が。
 聡の実父・小竹正雄が事故死し、それにより母の育代がストレスを溜めているのだという。泰啓はそんな彼女のために、少し静かな時間を与えたいと思い、聡を京都へ誘ったのだ。
 虚勢と見栄ばかりの大きかった正雄に対し、母を気遣う泰啓という存在。過去の実父との記憶を回想し、美鶴という存在の大きさを再確認しながら、同時に泰啓という存在に新鮮な世界を感じさせられた聡。
 自分の進路に新たな悩みを予感しつつも、泰啓に少し心救われながら京都見物にブラつく。そんな聡の目の前に、信じたくない光景がっ。
 陽炎の立ち昇る京都の街に、涼風のごとく佇む霞流慎二。その横に、なんと美鶴の姿があったのだ。
 なんでだよっ?
 聡や瑠駆真の知らない間に、この二人にはいったい何が?
 過去の失恋に囚われた、捻くれ者の美鶴。そんな彼女に今年の夏休みは、いったい何をもたらしたと言うのでしょう?







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